中国=スチレンモノマーの足元の相場と見通し
中国のスチレンモノマー(SM)市場は需要が後退している。2月の中国の旧正月休暇と冬季オリンピック開催により、誘導品設備の稼働率が低下しているためだ。しかし、海外のSM供給がタイトなうえ、中国国内でも一部設備が定修入りしており、華東地域ではSM在庫水準が高くない。旧正月の連休明け後は原油市況が高止まりし、エチレンなど原料コストが上がる傾向にある。さらに今後、誘導品設備の稼働も再開すると見られ、需要後退期にあってもSM相場は堅調だ。
原料市場では、1月以降に複数のナフサクラッカーが採算悪化を背景に減産を実施。エチレン供給にタイト感が強まり、先高観がある。ベンゼンについては足元では原料コスト高を受け、市況は堅調に推移。ただ、先行き新規設備の立ち上げを控え、定修予定も少ないため、供給が増える傾向にある。
誘導品市場では、旧正月休暇、冬季オリンピックの影響で設備の稼働率が低く、需要は乏しい。しかし、15日以降にほとんどの誘導品メーカーが再稼働する見通しであるため、先行き需要が回復すると見られている。
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