中国では2011~15年の「第12次5カ年計画」から16~20年の「第13次5カ年計画」の時期にかけて、国内の石油製品市場では需給緩和が進み、輸出を増やすことが供給過剰を緩和する最も有効な方法となった。過去10年間、中国の石油製品の輸出量の伸びは年間平均10%を超え、「第12次5カ年計画」初期の1,000万トン未満から年々拡大し、「第13次5カ年計画」の末期には5,000万トンの大台を突破し、過去最高水準に達した。
一方、21年は世界的な新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、ガソリン、軽油、ジェット燃料のいずれも輸出が減少した。各油種の輸出量は順に1,455.65万トン、1,720.87万トン、855.59万トンとなり、前年より9.03%、12.93%、14.24%下落した。全体では4,000万トン余となった。
22年に入ると中国石油業界の再編が進み、国内の需給状況が改善に向かっている。今年第1回の石油製品の輸出割当量は前年の第1回から55.93%減少し、年間輸出量がさらに減少する傾向にあることを示唆している。22年通年の輸出量は2,500万トン前後との予測があり、前年から4割近く減少し、「第13次5カ年計画」の初期水準に戻る見通しだ。
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