中国=PVC市場の動向
中国の塩ビ樹脂(PVC)市場は、原油高に加え、国内のPVC需要が回復しつつあるため、先行き相場は強基調とみる向きが多い。ただし、現状では国内在庫が高く、スポット玉への販売圧力があるため、国内のPVC相場の上げ幅は限定的だ。
一方、国内外のPVCメーカーの稼働率は低く、輸入品は数量が限られる。中国国内のPVCは大半がカーバイド法による生産のため、採算性がいい。これに対し、国際市場で原油およびナフサ市況が上昇するなか、主原料となるエチレン相場が強含んでおり、エチレン法を採用するPVCメーカーは先行き減産する可能性が高い。
加えてロシアのウクライナ侵攻により、欧州地域で原料不足が深刻となっており、同地域のPVCメーカーの稼働率が低下。このため輸入品相場は高止まりしている。これらを背景に、中国産PVCの輸出量が今後、増加すると見られる。カーバイド法を採用するPVCメーカーの稼働率が引き上がる可能性もある。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.