タイで、ダム式水力発電所の水面に浮体式の太陽光発電設備を設置するハイブリッド型発電所(以下、水力・浮体式PV)の建設が相次いでいる。国営のタイ発電公社(EGAT)は3月、北部コーンケーン県にあるウボルラタナ・ダムで建設する水力・浮体式PVプロジェクトに関する競争入札を行った。発電能力は24メガワットとなる見通しで、2023年の操業開始を予定している。
EGATは昨年10月に、タイ東北部ウボンラチャタニ県のシリントン・ダム(首都バンコックから東へ660キロメートル)に水力・浮体式PVの大型プロジェクトを完工している。ソーラーパネルの面積は世界最大級といわれ、サッカー場70面に相当する広さとなった。3,400万米ドルを投じ、14万5,000枚のソーラーパネルを設置した。発電能力は45メガワット。
タイ政府は2050年までに地球温暖化の大きな原因である二酸化炭素の排出量をゼロとする目標を掲げている。EGATは2037年までに、さらに15カ所の水力・浮体式PV設備の建設を計画しており、同年までに発電全体の約3割を再生可能エネルギーで賄うという。
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