インドネシア国営電力会社PLNは7月1日から一部電気料金を引き上げる。同国での電力料金値上げは5年ぶり。インドネシアでは政府が電力料金に補助金を拠出することで価格を抑えている。しかし、このところの国際的な石油・ガス価格の高騰で補助金が財政を圧迫するレベルまで大きく膨らんでおり、軽減のために政府はPLNの値上げを認めた格好だ。
値上げ対象は3,500ボルトアンペア以上の電気容量の使用者。景気回復の大きな支障とならないよう、今回は製造業など産業向け電力料金を値上げしないという。影響が出るのは中高所得者、政府機関や公設建物、一部商業事業者となるもよう。値上げ幅は17.6~36.6%と見積もられている。インドネシア政府は同国のインフレーションを0.019%押し上げると推定している。金融関係者や産業界からは大きな批判は出ていないが、ジャカルタなどの大都市の住民や中小企業は不満の声を上げている。
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