SM=先行き相場について
スチレンモノマー(SM)相場の基調は7月まで弱含んでいた。原油など原料コストが高止まりしていた一方、誘導品の需要が振るわず、需給緩和感も強かった。8月以降に誘導品の需要が回復するとの期待感があるものの、時期的に不需要期であるため、相場は上昇しにくいとの見方が多い。
原料市場を見ると、エチレンは8月以降の減産効果により供給が減る傾向にあるが、需要に強さが見られないため、相場に不透明感がある。ベンゼンは、これまで定修入りしていた設備が再開する見通しである一方、誘導品設備で定修が集中しており、余剰感が強まる傾向にある。
誘導品市場では、発泡ポリスチレン(EPS)は9月以降の需要期に向けて設備の稼働率が上昇する可能性がある。ABS樹脂は、需要不振を背景に減産する可能性がある。ポリスチレン(PS)は、これまで定修入りしていた設備が再開する傾向にあり、供給が増える見通し。一方、需要家の買い気が乏しい状況が続いており、需給に緩和感がある。
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