ベトナムで新たな石油精製施設の建設計画が具体化している。国営ペトロベトナムは8月、南部の沿岸都市ブンタウの石油工業地帯であるLong Sonに石油精製施設と油槽所を建設する計画を政府に提案した。ベトナムの石油精製施設は現在2カ所あり、今回の施設が3カ所目となる。ペトロベトナムは来年1月に建設計画の正式書類を政府に提出し、その後、投資調査を行う見通し。2024年に政府の正式承認を得、27年の完工を目指しているという。
ベトナム政府は今年3月、石油精製施設の新たな建設が必要であると発表していた。ペトロベトナムによると、ベトナムの燃料需要は2030年までに現在の年間1,800万トンから3,300万トンに拡大する見通し。既存の石油精製施設だけでは、同年に1,950万トン、45年には4,900万トンが不足し、輸入が急増するとの懸念がある。
既存の石油精製施設のズンクワット(Dung Quat沿岸中部)とニソン(Nghi Son沿岸北部)にそれぞれ増強計画があるもようだが、増強後の燃料生産は2カ所合計でも最大で年間1,350万トンと伝えられている。新施設の燃料生産規模は最終的に年間最大1,400万トンが計画されているもよう。建設費用は現時点で180億米ドルと見積もっている。
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