インドネシア政府は国内で使用される輸送用ディーゼル燃料について、パーム油から精製されたバイオ基材の混合比率を現在の30%(バイオディーゼル30、以下B30)から35%(バイオディーゼル35、以下B35)に強化する。政府は先月に1月1日から義務化すると発表したが、1カ月延期され2月からの義務化となるもよう。延期の理由として、十分なパーム油の供給が見込めなかったとの声が市場関係者から聞かれた。
インドネシアは2020年1月に輸送用ディーゼル燃料をB30に義務付けた。政府がバイオディーゼルの普及を進める理由は温暖化対策のほか、輸入依存が高い石油燃料の消費縮小により国家財政を改善する狙いがある。インドネシアは世界最大のパーム油生産国であり、混合基材は自国で製造できるからだ。バイオディーゼル製造に要するパーム油の数量は2022年が約1,100万klとなったと伝えられている。B35が導入されると2023年は1,300万klほどにパーム油使用が増えると目されている。
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