中国=2022年のPTA市場の動向
中国では2022年に高純度テレフタル酸(PTA)の生産能力が拡大した一方、複数の老朽設備が閉鎖した。同年に新規稼働した設備の生産能力は合計580万トンとなる一方、閉鎖したのは合計305万トンとなった。国内の生産能力は7,030万5,000トンに達した。
PTAの生産能力の増加により供給に潤沢感が出ており、採算が悪化した。このため稼働停止または減産するPTA工場が相次いだ。2023年も新規設備が立ち上げを予定しており、供給余剰が続く見通し。
一方、生産量の増加を受けて輸入量は減少した。また、船賃の上昇が輸入品減少の一因となった面もある。11月までの輸入量は5万9,700トンと前年同月比4,200トン減だった。一方、輸出量は大幅に増加した。11月までに約320万4,500トンが輸出されたもようだ。
原料市場では、米国のガソリン需要が堅調に推移したため、ガソリンの添加剤となるパラキシレン(PX)の供給にタイト感が出ていた。また、鄭州商品取引所に今後、PX先物が上場されると見られている。
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