中国=プロピレン4~6月期以降の見通し
中国では2023年1~3月期に年産計215万トンのプロピレンの新増設備が稼働開始した。これで同国のプロピレン生産能力は同5,842万トンとなり、22年末に比べ3.83%増となった。新増設備は主に華南地域に集中しており、今後、同地域がプロピレンの主要な生産基地になると期待されている。
一方、誘導品設備の稼働率は全般に低水準。特にプロピレンオキサイドおよびANなどの生産設備の稼働率が極めて低い。需給に緩和感があるなか、プロピレンメーカーの価格競争が激しい。これに対し原料のプロパン価格は高騰しているため、プロパン脱水素(PDH)設備を所有している石化メーカーが、長期間稼働を停止するケースも見られた。
4~6月期以降もプロピレンの生産能力は拡大する見通し。ただ、経済不況を背景に計画どおり立ち上がるか不透明な部分もある。また、プロパン価格が下がり採算の改善が見込まれることから、4月以降に停止中のPDH設備が稼働を再開すると見られる。このため、中国国内のプロピレン供給が増えそうだ。
一方、日本や韓国ではナフサクラッカーの定修が多く、プロピレン供給に不足が生じており、中国品が両国向けに輸出される可能性もある。
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