インドネシアでは2月以降、国内で使用する輸送用ディーゼル燃料について、パーム油から精製したバイオ基材の混合比率を35%(バイオディーゼル35、以下B35)まで高めることが義務づけられた。しかし、現時点でも完全実施に至っていない。バイオ基材を混合してB35を生産する装置が足りないことが大きく影響しているもようだ。
政府はこのほど、新たに8月1日を既存のB30からB35への完全切り替え期限に設定した。そもそも、政府がバイオディーゼルの普及を進める大きな理由は、輸入依存が高い石油燃料から国産燃料資源への活用を拡大することで国家財政を改善することにある。インドネシアは世界最大のパーム油生産国であり、バイオディーゼル混合基材は自国で製造できる。政府はパーム油から精製したバイオ基材の混合比率を一段と高めることを予定しており、走行試験が終わっているB40の義務化は2~4年後を視野に入れている。
バイオディーゼル向けパーム油の数量は2022年が約1,100万klと伝えられている。2023年は当初、B35導入で1,300万klまで増えると見られていたが、これは期待薄のようだ。B40が義務化されればパーム油の国内消費は年間250万トン増えるとの分析もある。
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