中国=ポリエステル原料市場の動向
中国のポリエステル原料市場では、先週まで高純度テレフタル酸(PTA)相場が上げ基調となっていた。ドルに対する人民元安が進んでおり、PTAの原料となるパラキシレン(PX)の輸入コストが上昇。PTAの採算が悪化した。一方、エチレングリコール(EG)相場は軟調に推移した。華東地域でEG在庫が増えたためだ。
ただ、ポリエステル生産設備の稼働率が高水準となったほか、原料の在庫は総じて低く、在庫補充を目的とした買いが見られたことから、原料相場はおおむね下支えされた。
先行きについては、原油およびパラキシレンなど原料相場が堅調に推移する一方、PTAメーカーが採算悪化を背景に稼働率を調整する可能性がある。一方、EGは輸入品が到着し始めており、供給が増える傾向にある。
ポリエステル繊維相場は、原料コスト高が下支えとなる見通し。ただし、誘導品の需要が強くないため、相場の上値は重い。
ポリエチレンテレフタレート(PET)相場は、PXおよびPTAなど原料相場が堅調に推移するうえ、スポット市場でPETの売り物が少ないため、底堅いとの見方が多い。
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