中国のスチレンモノマー(SM)相場は引き続き堅調に推移している。ポリスチレンなど主要誘導品の需要は後退しているものの、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)など非主要誘導品向けの需要が増えている。加えて8月以降に輸入品の到着が減っており、華東地域の港ではSM在庫が減少している。

　誘導品設備の稼働状況をみると、先週までにポリスチレン(PS)が56%程度、発泡スチロール（EPS）が61%程度に低下した。SMとの価格差が縮まっており、採算悪化を背景にPSおよびEPSメーカーが減産を実施しているためだ。

　一方、ABSメーカーは堅調な需要を受け、稼働率を90%程度に引き上げた。また、不飽和ポリエステル樹脂(UPR)、SBRなどの非主要誘導品向けの需要が堅調に推移。SM相場を支える要因となっている。