中国のベンゼン(BZ)相場は下支えされている。原油市況および海外市場のベンゼン相場が堅調に推移しているうえ、中国の港の在庫が低下している。一方、誘導品は、10月の国慶節前の在庫補充のための買いが活発となっており、需給に引き締まり感が強まっている。ただし、これまでベンゼン相場が上げ基調に推移してきた結果、相場過熱感から、誘導品メーカーが先行きの買いを控える可能性も指摘されている。

　誘導品市場では、スチレンモノマー(SM)相場が堅調に推移している。背景には、華東地域のSM在庫が低い水準を維持しており、ショートカバーの買いが続くとの見通しが挙げられる。フェノール(PH)相場は、原料コスト高に加え、一部PH設備が稼働停止しており、供給にタイト感がある。一方、誘導品メーカーが高値警戒感を強めるなか、一部トレーダーが利益確定の販売に出ており、上げ幅が抑えられる可能性がある。