中国のプロピレン市場では、山東地域からの供給が増える傾向にある一方、誘導品の需要が振るわず、先行き相場が軟調に推移する可能性がある。

　供給面では、メタノール法オレフィン設備およびプロパン脱水素(PDH)設備は依然として採算が確保できず、低稼働を維持している。また、華東地域では、PDH設備の定修明け延期または稼働停止を予定している石化メーカーも見られるため、プロピレンの供給にタイト感がある。ただし、山東地域では定修入りしていた一部PDH設備が再開しており、供給が増えている。

　需要面では、誘導品であるポリプロピレン(パウダーグレード)メーカーは、季節的な不需要期を前に稼働率を引き下げる傾向にある。また、ほかの誘導品設備でも定修が多く、プロピレンに対する買い気が後退している。しかし、原油など原料価格が高値を維持しており、プロピレン相場が大幅に下落することはないとの見方が多い。