韓国=芳香族製品の輸出量が減少
韓国ではここ数年、芳香族製品の輸出が減少傾向となっている。2018~2023年の期間に輸出量は15%減となった。
製品別でみると、パラキシレン(PX)は韓国石化メーカーの主力製品の1つとなっており、全石化製品の輸出額の13%を占める。誘導品である高純度テレフタル酸(PTA)産業が停滞しているため、原料のPX需要も後退しており、供給が余剰となっている。これによりPX輸出量が増加している。
輸出先は中国が中心だ。しかし、近年、中国国内でも複数のPX設備が新規稼働したため、輸入依存度が低下している。現在、中国のPX生産量は世界1位となっているもよう。こうした状況下、韓国の石化メーカーは中国以外の東南アジアや米国などへの販売を強めている。
一方、スチレンモノマー(SM)の輸入が増加している。2023年の韓国のSM輸出量が29万5,000トンだった一方、輸入量は77万5,000トンとなった。中国でSMの新増設備が多く、輸入量が減っている一方、輸出量が増加している。このため、この数年は採算悪化状態が続いている。こうした状況下、韓国の石化メーカーは昨年までに複数のSM設備の生産を停止した。また、韓国の貿易委員会が4月9日に中国原産のSMについてアンチダンピング税の調査を実施すると発表した。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.