中国=芳香族市場の先行き動向について
米中の「貿易戦争」が激化するなか、中国の芳香族市場の先行き相場に不透明感が強まっている。
先週まで、米国政府が相互関税政策を発表したことにより原油市況は大幅に下落した。また、アジアの石化メーカーの間では、ナフサ需要が減少するとの懸念が見られた。こうした状況下、ベンゼンなど芳香族製品の相場は軟調に推移していた。
米国の相互関税政策の影響で、中国の大連商品取引所で誘導品であるスチレンモノマー先物相場が暴落。ベンゼン相場も大幅安となった。誘導品市場でも原料コストが下落したことを受け、下げ局面となった。
先行きについては、引き続き米国の関税政策の行方に注目が集まっている。また、アジア域内のナフサクラッカーの稼働状況に対する関心も高い。ベンゼン市場は、先週までの大幅下落の反動で、底打ち感から買い戻しの動きが見られるとの見方も出ている。トルエン市場でも底値感が出ているものの、輸出向けの需要が回復しづらいため、相場の上値は重い。ただし、ガソリン価格の下げ幅が限定的なため、下げ幅は限られるという。
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