中国=ポリエステル原料の市場動向
高純度テレフタル酸(PTA)市場では、原油市況が軟調となったことに加え、先行き誘導品設備が定修入りするとの情報が流れ、PTAの供給が余剰となるとの観測が台頭。相場の基調が弱まっている。
エチレングリコール(EG)市場は、需要が振るわないなか、国内のEGメーカーが稼働を引き下げる動きが見られた。しかし、港の在庫が依然として高水準で維持されているため、供給潤沢感が強い。
パラキシレン(PX)市場では、誘導品設備の稼働率が高いなか、PXに対する買い気が強い。しかし、浙江石化のPX設備1基(年産250万トン)が近く再開する予定となっており、供給が増える傾向にある。このため足元の需給引き締まりが緩和する可能性がある。
先行きについて、原油市況の値動きや米国による関税政策が注目されている。また、PTA市場では大手PTAメーカー1社が定修を予定しており、売り手側の販売圧力が解消されると見られる。EG市場では、原油市況が軟調に推移すると見られるなか、港の在庫消化が鈍く、相場の基調は弱い状態が続きそうだ。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.