中国=ベンゼン市場動向
中国のベンゼン市場は、一時の弱基調から再び強気に触れている。米中の関税政策が解決に向かっているとの情報が流れたためだ。それ以前は、5月以降に複数の誘導品設備が定修入りを予定しており、ベンゼンの需要が減る傾向にあったうえ、労働節連休中に原油市況が軟調となったこともあり、相場も弱含んでいた。
誘導品市場では、スチレンモノマーは地域間のアービトラージが閉じているほか、需要家も必要量のみの買い付けにとどまっている。こうした状況下、需給に大きな変動が見られない。ただし、原料であるベンゼン市場が軟調に推移しており、原料コストは上昇していない。
フェノール(PH)市場は、一部生産設備が定修入りを予定しており、稼働率が次第に下がる見通し。このため、供給に引き締まり感が出ると見られる。ベンゼンに対する買い気も後退する見込み。
ベンゼン市場の先行きについては、引き続き米中の関税政策の影響に注目が集まっている。また、港の在庫、誘導品設備の稼働率や採算状況に対する関心も高い。
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