中国=メタノールの市場動向
中国国内でメタノール先物相場が上昇している。イスラエルとイランの軍事衝突により、原油市況が急騰したことを受けた。
需給動向には強弱材料が見られる。輸入品の供給にはタイト感がある。メタノールの売り手は、手持ち玉の仕入れコストおよび運賃高を背景に販売を渋っている。さらに華東地域の一部の港で6月下旬まで船舶の入港が制限されており、到着地を切り替える動きも見られている。
一方、中国国内のメタノール設備の稼働率は高水準に維持されており、国産品の供給に潤沢感がある。一方、需要面では、不需要期となっているため、誘導品への価格転嫁が難しい。
先行きについては、米国とイランの対立によるメタノール市場への影響が注目されている。また、中国国内のメタノールおよびメタノール法オレフィン設備の稼働状況にも関心が高い。
設備関連では、内モンゴルのZhongmeienenghuaのメタノール法オレフィン設備(MTO)が19日から40日間の予定で定修入りしたほか、浙江にあるMTO設備1基は稼働率を70~80%に引き下げたもよう。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.