インドネシア政府は米国からの石油輸入を拡大する方針だ。同国は米政府の貿易政策により、対米輸出製品に32%の関税を課される状況に直面している。米国は、インドネシアにとって中国に次ぐ輸出先。石油のほか小麦粉や大豆などの輸入を増やし、課税率の縮小を狙う。
インドネシアの石油製品の輸入は現時点で、シンガポールからが全体の半分以上を占めている。今後はシンガポールからを減らし、米国中心に他国からの輸入を増やす計画。ガソリン、軽油、液化石油ガス(LPG)の輸入が多いが、特にLPGについて米国からの輸入を大きく増量する可能性が高いと見られている。
米国からの原油の輸入も拡大する見通し。米国出し原油の輸入数量は現在の10倍に膨れ上がる可能性もあるとの見方も出ている。ただ「(インドネシアの)製油所が従来使用してきた原油と品質が異なる米国産原油を処理するには、技術的に時間がかかる」(市場関係者)との指摘も聞かれる。
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