中国=ポリエステル原料市場動向
中国国内のポリエステル原料市場は需給緩和感が強い。主要原料である高純度テレフタル酸(PTA)の新規設備の立ち上げが先行き予定されており、供給増が見込まれる。一方、需要面では、最終製品工場が減産を実施しているうえ、誘導品メーカーの在庫消化も鈍い。このため原料となるPTAの需要は乏しい。ただ、堅調な原油価格を受けてPTA相場は下支えられている。
エチレングリコール(EG)市場では、華東主要港でモノエチレングリコール(MEG)の在庫が低水準になっている。台風の影響で輸入品の到着が遅れているためだ。加えて8月以降、中国国内で一部EG設備が定修入りしており、供給に潤沢感は見られない。川下のポリエステル設備の稼働率は高水準となっているものの、最終製品の受注が少なく、製品在庫が高い。このため相場は上伸力を欠いている。
パラキシレン(PX)市場では、8月前半に新規設備1基(年産100万トン)が立ち上がる予定となっているが、PTA設備1基(年産320万トン)も近く新たに稼働開始する見通しとなっており、PXの需給には依然として引き締まり感がある。
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