中国=ベンゼン市場動向
中国国内のベンゼン市場には需給引き締まり感がある。輸入品の到着が少なく在庫が限られるため、売り手は販売を急がない。一方、誘導品メーカーの買い気は続いている。こうした状況下、中国石化が工場出し価格を引き上げるなど、相場基調は強まっている。
主要誘導品であるスチレンモノマー(SM)市場では、原料のベンゼン市況が堅調に推移し、トレーダーが保有するSMの仕入れコストが高い。ただ、このところSM相場が年内最高値となり、割高感が強い一方、山東地域で新規SM設備が稼働を開始し、今後、供給に潤沢感が強まるとの見方も出ている。加えて8月以降に到着する輸入品も多く、港の在庫が積み上がりつつある。このためSM相場には下げ余地があるとの観測が寄せられた。
先行きについては、米国のロシアに対する経済制裁の影響、原油市場動向に注目が集まっている。誘導品設備の定修など稼働状況に対する関心も高まっている。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.