中国=ベンゼン市場動向
中国のベンゼン市場は、需給緩和感を受けて軟調に推移している。これまで定修入りしていたベンゼン設備が再開しつつあり、供給には潤沢感がある。一方、このところ複数の誘導品設備が定修入りし、ベンゼンに対する買い気が後退している。ただし、先行き一部の新規誘導品設備が立ち上がる見通しで、ベンゼンの新規需要が台頭するとの期待が浮上。相場が大幅に下落する可能性が低いとの見方が聞かれる。
主要誘導品であるスチレンモノマー(SM)市場では、このところ生産設備の稼働率が低下。さらに輸入品の到着が遅れ、在庫が減る傾向にある。また、生産コストが高く、SMメーカーはアイデアを引き下げてまで販売しようとしない。ただ、先行き新規の設備が立ち上がる予定で、供給が増える可能性がある。このため相場は短期的には堅調に推移しているものの、長期的には下落傾向をたどるとみられている。
フェノール(PH)市場では、盛虹鍊化のPH設備が今週再開する予定。また、吉林石化の新規設備がすでに原料を投入したもようだ。一方、需要は依然として乏しい。このため需給に緩和感がある。
ベンゼン市場の先行きは、原油市況の変動、誘導品設備の稼働状況に影響されそうだ。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.