中国=トルエンの市場動向
中国国内の7~9月期のトルエン市場は需給緩和感が強まった。国内需要が振るわない一方、供給潤沢感が強かった。このため供給業者は輸出向けの販売に注力したもようだ。
同四半期には国内でトルエン設備の定修が少なかったうえ、京博石化および裕龍石化の新規設備が立ち上がっており、供給が増えた。これに対し国内の需要が軟調となり、需給に緩和感が強まった。一方、海外では東南アジアなどでガソリン添加剤向けのトルエン需要が堅調に推移した。このためトレーダー筋は同地域向けの輸出を強化した。また、この時期はアジアから欧州向けのアービトラージが開き、中国から欧州向けの輸出も増加した。同四半期のトルエン輸出は24万1,200トンと、前年同期比15万1,200トン増加した。
10~12月期も需給緩和感が続く見通し。国内で定修入りを予定するトルエン設備が少ないうえ、湖南石化、豊利石化、広西石化など新規設備が稼働を開始する予定だ。供給潤沢感がさらに強まる見込みという。一方、10月以降はトルエンの不需要期となるため、トルエン輸出が今年最多になる可能性があるという。
上海 : 石油化学チーム 金 雪梅 03-3552-2411Copyright © RIM Intelligence Co. ALL RIGHTS RESERVED.



