中東=米・イスラエルとイラン戦争の石化市場への影響
ホルムズ海峡が実質的に封鎖されるなど中東情勢の緊迫化が続くなか、アジアの石化メーカーが相次いでフォースマジュール(不可抗力)宣言を発動している。タンカーの通航が遮断され、原油や石油製品の輸送中断が続いているためだ。イラクやカタールなどは既に原油の減産を発表。アラブ首長国連邦(UAE)やサウジアラビアなども減産を余儀なくされると見られる。石化関係者は引き続き、中東情勢に伴う原料市況や輸送動向を注視している。
リム情報開発の調べでは、10日までに不可抗力を宣言したのはチャンドラ・アスリ(インドネシア)、ヒョソン・ベトナム、カタールエナジー、YNCC(韓国)、トタルエナジーズ、PCS(シンガポール)、CSPC(中国)、万華化学(同)、IRPC(タイ)、SCGC(同)、アスター(シンガポール)、住友ケミカルアジア(同)、シンガポールTPC(同)、フォルモサ石油化学(台湾)、バーレーン石油(BAPCO)などがある。
YNCCが3月に予定していたナフサの納入が遅れる見通しで、同社は4日からすべての生産施設について、「最低生産能力」(同社)での運営を余儀なくされた。このほか、韓国のGSカルテックスのオレフィン設備も原料不足を背景に稼働率を65~70%に引き下げた。
日本でも三井化学、出光興産、ENEOSなど複数のメーカーの設備稼働に影響が出ている。
今回の中東情勢による石化市場への影響は市場関係者の予想を超えており、石化製品のうち、メタノール市場への影響がもっとも大きいと見られている。イランが世界第2位のメタノール生産国であるためだ。同国の生産能力は世界全体の9.2%を占め、世界最大級のメタノール輸出国だ。国内生産の80~90%が輸出されている。



