10日 原油は小動き、強弱材料の拮抗で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は前日終値と比べ14セント高の68.28ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(11月限)は同17セント高の71.62ドル/バレルと、いずれも小動き。 欧米時間の取引では、中国政府の原油備蓄放出などを受けてWTI、ブレントともに大きく切り下がった。ただし、10日アジア時間午前の原油相場は小動きとなっている。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは、「強弱材料で売買が拮抗している」と指摘する。米エネルギー情報局(EIA)が公表した週間在庫統計によると、米国の原油在庫は150万バレル、ガソリン在庫は720万バレル減少した。米メキシコ湾岸の原油生産も完全に回復したとは言い難く、在庫の取り崩しが進んでいる。 一方、米国では、デルタ株感染拡大による景気回復への期待感が後退。さらに、8月に最高値を更新した米国株価の上値がここ最近やや重いため、株と同じリスク資産の原油も売られやすい傾向がある。「これらの材料が重荷となっており、押し目買いで大きく反発することはない」(同氏)。 日経平均株価は前日比330円3銭高の3万338円22銭で推移している。ドル円相場は1ドル=109.74円と、前日の17時時点(109.96円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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