30日 原油は続落、米在庫増が重石も下げは限定的
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(11月限)は前日終値と比べ14セント安の74.69ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(11月限)は同11セント安の78.53ドル/バレルと、いずれも続落している。 30日アジア時間の原油市況は軟調。米エネルギー情報局(EIA)は29日、原油と軽油の米国在庫が事前予想よりも増加していることを発表したため、市場のセンチメントが弱気に振れた。ただ、下げ幅は限定的だ。ハリケーン「アイダ」の影響で米ガルフ沖合の天然ガス生産設備から陸上へガスを運ぶ中継基地が故障しており、通常の稼働へ復旧するのが数カ月遅れるとの見方が根強く、代替として石油需要が増加すると見込まれ、相場は下支えられている。また、今年ラニーニャ現象が起こる可能性があり、世界的に暖房需要の増加が見込まれる。「天然ガス相場の高騰している欧州では代替燃料として石油製品が使用される公算が大きく、相場の下げ幅を抑える要因となった」(石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)=野神隆之首席エコノミスト)という。さらに、「このところの相場高騰が続いていることから、相場が下落してもすぐに値ごろ感からの買いが入り、相場が下がりにくい商況にある」(同氏)と指摘した。 日経平均株価は前日比128円42銭安の2万9,415円87銭で推移している。ドル円相場は1ドル=111.84円と、前日の17時時点(111.30円)と比べドル高・円安方向に振れている。
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