27日 原油は小幅続伸、需給両面から強材料相次ぎ
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(7月限)は前日終値と比べ6セント高の114.15ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(7月限)は同7セント高の117.47ドル/バレルと、ともに小幅続伸している。 27日アジア時間の原油相場の上昇について、「需給両面の強材料が意識されている」と石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは指摘。供給面では、欧州連合(EU)が週明けにもロシア産原油の禁輸について合意に至る可能性が高まっている。また、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は、来月2日の閣僚級会合で7月の増産量を43万2,000バレル程度にとどめる公算が大きくなっている。需要面では、米エネルギー情報局(EIA)の週間統計で、先週末時点の米ガソリン在庫が前週比50万バレル減少となったことに加え、今週末の連休からドライブシーズンに入ることで価格高止まりをよそにガソリン需要増が見込まれる。 さらに、米国株の上昇に伴って27日のアジア株式相場も軒並み上昇。同様にリスク資産となる原油先物にも追い風となっている。加えて、英国では石油企業へのウインドフォール(たなぼた)課税による財源50億ポンド相当を生活支援策に導入すると発表し、経済持ち直しによって原油需要も支えられるとの見通しのほか、「同課税は石油企業が利益を投資開発へ振り向けるインセンティブを失わせ、供給先細り要因として相場には強材料」と同氏は指摘した。 日経平均株価は前日比166円38銭高の2万6,771円22銭で推移している。ドル円相場は1ドル=126.79円と、前日17時時点(126.62円)と比べ、ドル高・円安方向に振れている。
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