9日 原油は続落、利益確定売りで
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(2月限)は前日終値と比べ37セント安の72.95ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(3月限)は同34セント安の75.82ドル/バレルと、いずれも続落している。 9日アジア時間午前の原油相場は売りが優勢となっている。エネルギー・金属鉱物資源機構の野神隆之首席エコノミストは「8日米国時間の流れを引き継いでいる」との見方を示した。8日のWTI原油先物は一時、75.29ドルと約3カ月ぶりの高値を付けた。ただ、75ドル台が折り返し地点となり、200日移動平均線を突破できなかったため、利益確定売りが進んだもよう。 また、米エネルギー情報局(EIA)が8日に発表した週報が弱材料視された。週報によると、先週末3日までに同国のガソリン在庫は630万バレル、中間留分在庫は610万バレルとなり、いずれも市場予想より大幅に増加。「石油需給の緩和感が台頭し、原油に下方圧力を加えている」と同氏は指摘した。 さらに、8日にかけて米国のトランプ次期大統領が、早期の関税引き上げに向け、緊急事態宣言の発令を検討中と一部メディアが報じた。ドル高・円安が進んだことで、「原油に割高感が生じ、売りが進んだ」(同)。 なお、中国国家統計局が9日発表した12月の消費者物価指数(CPI)は前年比0.1%上昇したが、11月の0.2%から伸びが鈍化した。同国の景気刺激策にあまり効果がみられないため、「原油に下押し圧力をさらに加えている」と同氏は結んだ。
日経平均株価は前日比302円13銭安の3万9,678円93銭で推移している。ドル円相場は1ドル=158.08円と、前日の17時時点(158.12円)と比べややドル安・円高方向に振れている。
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