30日 原油は小動き、値ごろ買いも中国経済の減速が重石
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(6月限)は前日終値と比べ6セント安の60.36ドル/バレル、一方、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(6月限)は同5セント高の64.33ドル/バレルと、小幅ながらまちまちな値動き。 アジア時間30日午前の原油相場は、小動き。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストは、「下方圧力が加わっている一方、下支えもされている状態」と指摘する。28~29日の欧米時間の取引では、米中の貿易摩擦や各種経済指標の内容の悪化などを受け、売りが進んでいたため、30日午前は値ごろ感による安値拾いが出やすいようだ。欧州の取引が始まるアジア時間夕方には上昇する可能性が高いという。 一方、30日に中国国家統計局が発表した4月の製造業購買担当者景況指数(PMI)は49.0となり、3月の50.5や予想値を下回った。非製造業PMIも3月から縮小し、中国経済の減速が織り込まれている。ただし、民間の調査会社「財新」による4月PMIは50.4とこちらも3月から縮小したものの、予想値の49.7を上回る結果となったため「下げの勢いが削がれている」(野神氏)。 この他、アジア時間朝方に公表された米国石油協会(API)在庫統計の内容も受けて、様子見ともなっている。同統計によると、米国の原油在庫は前週比380万バレルの大幅増加となり、需給緩和感がみられる一方、ガソリン在庫は同310万バレル、軽油・暖房油在庫は同250万バレルそれぞれ減少した。野神氏はこの点について、「ガソリンシーズンが始まれば、原油在庫も自ずと消費される」と指摘している。30日夜に発表される米エネルギー情報局(EIA)在庫統計の結果を確認したい市場関係者も多いようだ。 日経平均株価は28日比42円2銭高の3万5,882円1銭で推移している。ドル円相場は1ドル=142.46円と、28日の17時時点(143.62円)と比べドル安・円高方向に振れている。
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