10日 原油は続伸、経済と地政学両面で強材料
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(7月限)は前日終値から31セント高の65.60ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(8月限)は同33セント高の67.37ドル/バレルと、いずれも続伸している。 10日アジア時間午前の原油相場は堅調。経済と地政学リスクの両面で押し上げ要因が見られる。米国と中国は9日、ロンドンで閣僚級の通商協議を再開。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、協議の感触は前向きで、10日も継続するとみられ、いずれ話し合いがまとまり経済が回復するとの期待感があるという。 また、イランの核保有をめぐり、米国との対立が鮮明になりつつあり、米国が制裁を強化すればイラン産原油の供給が減少する可能性がある、と野神氏は指摘。9日に始まった国際原子力機関(IAEA)の定例理事会では、高濃縮ウランの生産の増やすイランを非難する案が提出される見込み。 そのうえで野神氏は、「原油相場は買われすぎ気味のため、利益確定売りが出やすい地合いだが、足元の弱気材料はこの一点くらい」とし、相場は底堅いとの見方を示した。 日経平均株価は前日比348円72銭高の3万8,437円29銭で推移している。ドル円相場は1ドル=145.18円と、同17時時点(144.13円)と比べドル高・円安方向に振れている。
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