9日 原油は反落、利益確定売りも堅調な相場が維持
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(8月限)は前日終値と比べ17セント安の68.16ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(9月限)は同13セント安の70.02ドル/バレルと、いずれも小反落している。 アジア時間9日午前の原油相場は利益確定売りなどを受け、小幅反落。ニッセイ基礎研究所の上野剛志首席エコノミストは、足元のWTI原油相場の水準は、6月末にイランとイスラエルが停戦して以来の高値と指摘した。また、米石油協会(API)が発表した在庫統計では米国の原油在庫は前週比780万バレル増加した。事前予想では280万バレルの減少が見込まれていたため、このことも弱材料視されたようだ。 足元の原油相場について、上野氏は「弱含みながら堅調という奇妙な状況」と指摘する。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」は先週末に増産を決めたものの、原油相場の反応は限定的だった。夏場に入り原油の需要が増加する可能性が高いうえ、これまで過剰生産を行っていた産油国は減産に動いているという。このため大幅な増産にもかかわらず「材料としては吸収されてしまった」(上野氏)。 また、米国のトランプ大統領は日本などからの輸入品に対し8月1日から関税を賦課することを発表。ただし、中国や欧州といった米国の大口輸入元への関税通知がなされていないことなどから、「楽観視している市場関係者が多い」と上野氏は述べた。 日経平均株価は前日比11円77銭安の3万9,677円4銭で推移している。ドル円相場は1ドル=146.85円と、前日の17時時点(146.04円)と比べドル高・円安方向に振れている。
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