10日 原油相場は小幅反落、米トランプ大統領からの追加関税表明で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(8月限)は前日終値と比べ10セント安の68.28ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(9月限)は同5セント安の70.14ドル/バレルと、いずれも小幅に反落した。 10日アジア時間午前の原油相場は小幅に反落。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、アメリカ現地時間の夕刻にもう一段の下げが見られたという。米トランプ大統領が、新たに8か国への追加関税を8月1日から適用すると自身のSNSで表明したためだ。ブラジルへの50%の追加関税などサプライズを含む内容であったため、貿易戦争の再燃が懸念され弱材料視された。 一方で、相場は堅調な原油需給に下支えされている。9日に発表された米エネルギー省エネルギー情報局(EIA)による石油在庫統計では、ガソリンが266万バレルあまり減少するなど、需給の引き締まりが意識された。アラブ首長国連邦(UAE)のマズルーイ石油大臣の「世界の石油在庫は十分に積み上げられていない」という主旨の産油国側からの強気な発言も、「市場からは支援材料と受け取られた」(野神氏)。 今後の見方として、「テクニカルな水準として、WTI68.5ドルが上値として意識されやすい」と野神氏。強弱材料は混在する中、やや堅調な材料が意識されやすい地合いではあるものの、もう一段の上げには新たな強材料が待たれると締めくくった。 日経平均株価は前日比198円30銭安の3万9,622円98銭で推移している。ドル円相場は1ドル= 145.91円と、前日の17時時点(146.85円)と比べ、ドル安・円高方向に振れている。
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