1日 原油は続落、ドライブシーズン終了で
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は先週末終値と比べ28セント安の63.73ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(11月限)は同30セント安の67.18ドル/バレルと、いずれも続落した。 1日アジア時間午前の原油相場は続落。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、9月1日の労働者の日をもって米国のドライブシーズン終了が意識され、需給の緩みが表面化したという。ただ、同じく労働者の日を理由に米国市場は休場となっており、「薄商いから下げが抑制された面もある」(野神氏)。 また、米エネルギー情報局(EIA)が8月29日に発表した月報によると、6月の米国原油生産量は史上最高の日量1,358万バレルを記録し、市場からは弱材料視された。石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の会合は9月7日に予定されており、今後の生産計画についても情報が待たれる。事前予想では様子見との見方が強いようだが、「今後の供給状況の糸口になるため注視が必要」と野神氏は指摘した。 一方で、地政学上のリスクは不透明感が強い。1日にインドのモディ首相とロシアのプーチン大統領は会談を予定している。ロシア産原油を巡る米国からの追加関税について、なんらかの展開を懸念する見方も目立つ。また中東では、イエメンの反政府勢力フーシ派は首相殺害を受け、イスラエルに対する報復を宣言。今後の供給に対し、緊張感が再燃し始めている。野神氏はこれらの状況を鑑み「需給の緩みから足元では下げ優勢だが、方向感は見出しづらい」と解説した。
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