5日 原油は続落、米国の需給緩和と経済減速懸念が重石
11時15分現在、ニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)のWTI原油相場(10月限)は前日終値と比べ28セント安の63.20ドル/バレル、インターコンチネンタル取引所(ICE)の北海ブレント原油相場(11月限)は同27セント安の66.72ドル/バレルと、いずれも続落している。 5日アジア時間午前の原油相場は軟調。エネルギー・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の野神隆之首席エコノミストによると、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の有志8カ国が7日に開催する会合にて10月の生産量を増加されるとの観測が広がるなか、米国の原油需給の緩和感や経済悪化の懸念が強まっているという。 米エネルギー情報局(EIA)は4日、週間在庫統計を発表。原油、抽出油ともに事前予想に反して増加した。ガソリンは380万バレル減と、予想の110万~140万バレル減を上回ったものの、ガソリン需要期が終了する時期となるため「軽視された」(野神氏)。 米ADPの8月雇用統計は5万4,000人増と、事前予想および7月の増加幅を下回ったほか、足元で失業保険の新規登録数も増加し、同国の経済鈍化による原油需要の減退も弱気材料視されているようだ。 ただ、相場の下げ幅は削られている。野神氏は「米国の経済指標悪化により、今月16~17日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利が引き下げられる可能性がある。利下げにより経済活動が活発化することも考えられ、現在出ている経済指標は下げ一辺倒の材料でもない」と指摘した。 日経平均株価は前日比288円36銭高の4万2,868円63銭で推移している。ドル円相場は1ドル=148.11円と、前日17時時点(148.38円)から円高・ドル安に振れている。
◎リムエネルギー総合指数22種(レックス22、2010年平均=100):145.26(↓2.07)
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