欧州エネルギー取引所(EEX)が運営する日本の電力先物市場は、ヘッジ需要の高まりを背景に、好調なペースで取引拡大が続いている。リムの集計によると、9月の月間約定量は7,474GWhと8月の7,000GWhを6.8%上回り、2カ月連続で月間ベースの最多記録を更新した。厳しい残暑や秋口の火力発電所の定検シーズン入りに伴い、需給逼迫による価格上振れへの懸念が根強く、9月や10月を中心とした月間物の取引が膨らんだ。さらに冬場の需要期を対象としたヘッジ取引も旺盛だった。
1~9月の累計約定量も4万9,462GWhに達し、2023年通年の約定量である1万8,299GWhに対する進捗率は270%となった。また、EEXは早ければ11月にも、季節物の対象期間を現行の4シーズンから8シーズンに延長する見通し。さらに来年1~2月には、会計年度物(4月~翌年3月の受け渡し)を導入する予定だ。新商品の拡充に伴い、EEX電力先物は流動性が一段と拡大することが見込まれる。
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