米国=シェールオイルは30年ごろにピーク予測、下院が掘削禁止法案
ノルウェーのエネルギー調査会社であるライスタッド・エナジーは9月12日、米シェールオイル生産量が2030年ごろに日量1,450万バレルのピークを迎えるとの予測を発表した。米国では現在、パーミアン盆地のシェール層で生産量が増えている。
また、米エネルギー情報局(EIA)によると、米国の天然ガス生産量が8月19日、過去最高となる日量928億立方フィートを記録したという。2019年8月の月間平均生産量は前年同月比8%増の同910億立方フィートで、月間ベースでも過去最高となった。EIAは、今年9月~12月の天然ガス生産量を同934億立方フィートと予測している。
他方、米オハイオ州の天然ガス資源省は9月初旬、今年第2四半期にユーティカ・シェール層のシェールオイル生産量が前年同期比9.5%増の581万バレルに達したと発表した。シェールガス生産量は同0.8%増の6,142億立方フィートだった。
EIAはまた、米フロリダ州で2008~18年に発電所規模の天然ガス焚き火力発電プラントで15.7ギガワット(GW)分が新設されたと公表した。一方、石油火力5.1GW、石炭火力2.8GW、旧式の天然ガス火力3.3GW、その他0.9GW分が退役したという。
再生可能エネルギー分野では、米国で発電所規模の太陽光エネルギー発電(PV)設備の建設コスト(2017年)が2,135ドル/キロワット(kW)で、13年比で37%低下。風力発電設備のコストは同13%低下、天然ガス発電は4.7%低下したという。17年には、太陽光発電設備に120億ドルが投資され、発電能力が5GW増加した。EIAが9月3日、発表した。
このほか、米国、ポーランド、ウクライナの政府代表が8月末、ワルシャワで天然ガス供給にかかわる協力協定に署名した。サイト『ワールド・ニュース・モニター』などによると、ウクライナでの天然ガス市場の再編、ポーランドからの天然ガス輸入および備蓄、米国からの液化天然ガス(LNG)輸入などで合意したという。ウクライナがロシアからの天然ガス依存を減らすのが狙いとされる。
ところで、米下院は9月11日、米沿岸で新たな石油・天然ガス掘削活動を禁止する2法案を可決した。フロリダ州沿岸と、太平洋と大西洋沿岸の石油・天然ガス鉱区のリースを禁止する法案だ。