新春特集=2024年、碧南発電所でアンモニ大規模混焼へ
【政府の動き】 クリーンエネルギー推進の財源として財務省は、脱炭素成長型経済構造移行債(GX経済移行債)を個別銘柄「クライメート・トランジション利付国債」として、2024年2月に入札を実施する。年限は5年と10年で、予定額はそれぞれ8,000億円程度。入札予定日は、10年債は2月14日、5年債は同27日を予定している。政府は、「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」に基づいて、20兆円規模の「脱炭素成長型経済構造移行債」(GX経済移行債)を発行していくが、2023年度以降の10年間、毎年度国会の議決を経た金額の範囲内で行われる。
西部ガスの東浜水素ステーション(福岡市東区東浜)が、2024年3月30日に営業を終了する。同ステーションは九州で初めて都市ガスを利用した商用オンサイト方式で、2016年に開設された。移転などの予定はなく、同社として水素ステーション事業からは事実上撤退する形になる。 一方、2023年度に公表された日本水素ステーションネットワーク合同会社の水素ステーション整備計画は5件と、前年度と同数となった。主要都市部への開設が一巡しているため、関係者の間では2024年度も一桁にとどまる見通し。 これに対し、コンビニや運送会社など一般企業が脱炭素を目的に燃料電池を搭載したトラックの導入が増えている。これに伴い、従来の一般車両向けのステーションより、大型車両向けのステーション需要が高まるとの見方が出ている。
2023年のアンモニアの輸入価格は、財務省の貿易統計によると無水アンモニアが1月に11万4,223円だったが、原料となるガス価格の下落を受けて6月には4万6,205円まで下落。その後は為替市場で円安が進行したこともあって、上昇に転じた。 2024年の見通しは、イスラエルのガザ侵攻やロシアのウクライナ侵攻など紛争の終結が見通せないなど不安材料を抱えるものの、目先の需要が乏しいため、大幅な価格上昇を予想する声は聞かれない。 一方、クリーンエネルギーとしてのアンモニアで2024年に注目されるのは、1~3月期にJERAが碧南火力発電所で予定している4号機のアンモニア大規模混焼(熱量比20%)。ただ、政府による資金支援の内容が2023年12月時点では公表されておらず、JERAの事業進行に比べるとややスピード感に欠けている。 JERAは2023年1月に国際競争入札の結果として、CFインダストリーズ、ヤラクリーンアンモニアノルゲの2社と燃料アンモニア調達に関する協業について、覚書を締結すると発表した。いずれもメキシコ湾から積み出し、パナマ運河を経て日本に至る航路になる。
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