新春特集=原油、2026年はOPECプラスの増産動向に焦点
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2026年の原油需給は、石油輸出国機構(OPEC)と非OPEC主要産油国で構成する「OPECプラス」の増産動向がカギを握る。OPECプラスは、11月30日に閣僚級会合で、有志8カ国による増産を2026年1~3月の間、停止することを確認した。ただ、4月以降の生産計画は未定であり、有志8カ国が増産を継続できるかは不透明だ。
サウジアラビアやUAEは、市場シェアの回復を目指し、さらなる増産に前向きとみられる反面、ウクライナに侵攻中のロシアは、戦費確保の主軸である原油の価格下落を望んでいない。さらに、アルジェリアとオマーンはすでに、生産余力が限られている。実際、2025年10月の時点で、OPECプラスの生産目標と実際の増産量には、乖離が見られる。有志8カ国による4~10月の増産総量は日量204万7,000バレルと、目標増産枠である日量260万3,000バレルを55万6,000バレル下回った(下グラフ)。サウジアラビアやUAEがさらなる増産を望む場合、OPECプラスは、全加盟国で実施する日量200万バレルの協調減産を解除する方向に舵を切る必要があるかもしれない。 また、OPECプラス非加盟国の動きにも注目だ。南米ガイアナでは、スウィート原油のゴールデンアローヘッド、ユニティゴールド、パヤラゴールドが、9月に初めてスポット供給された。同じく9月には、アンゴラ産アゴゴ原油の生産も開始した。さらにニジェールは、2024年5月からメレク原油の輸出を始めており、世界の原油供給は増加傾向にある。米国がロシア石油大手2社を制裁リストに加えて以来、インドの需要家の多くは、ガイアナやブラジルなどの南米や、西アフリカからの原油調達量を拡大している。今後もロシアとウクライナによる和平交渉は難航が予想されるものの、ロシア産原油の代替油種は容易に調達することが可能だ。一方、米国の原油生産量は、若干の減少が見込まれるものの、依然として高水準を維持するもよう。米エネルギー情報局(EIA)が11月12日に公表した短観エネルギー見通し(STEO)によると、2026年の米国産原油の生産は日量1,358万バレルと、過去最高が見込まれる2025年と比べ、日量1万バレル減少する見通し。 米国のトランプ大統領が発動した相互関税や、中国で長期化する不動産市場の不況が世界経済の向かい風となるなか、目先の原油需要に大きな伸びは期待できない。2026年の国際石油市場は、供給過多に陥るリスクを背負い続ける1年となりそうだ。
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