新春特集=2026年のLPG市場、米国と中東がアジアで販売シェア争い
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サウジアラムコは2025年12月のアジアのターム顧客向け契約価格(CP)をプロパン495ドル、ブタン485ドルに設定した。前月からは上昇したが、前年同月の635ドル、630ドルを大きく下回る。アジア市場での販売攻勢を強める米国への対抗姿勢が透ける。2026年は需要の拡大が見込まれるアジアを舞台に中東と米国によるLPGの販売競争が強まりそうだ。 2025年4月。LPGの国際マーケットに激震が走った。米国が貿易不均衡を是正するとして、中国からの輸入品に34%の相互関税を課すと発表した。これを受け、中国はすぐさま米国からの輸入品に対する報復関税で応じた。米国からLPG輸入が半分を占めるまでになっていた中国の輸入業者をはじめ、LPGプレーヤーに大きな衝撃を与えた。 その後、米中貿易戦争が過熱し100%以上の追加関税を課し合うとする事態にまで発展したが、2025年5月に行われた米中両政府の協議で関税発動を90日間停止することで双方が合意。同年10月にはさらに1年間の発動停止で合意し、事態は一旦収束に向かった。 しかし、米中貿易摩擦の火種は依然として燻っている。2025年末時点で、米中が関税を互いに課しており、中国による米国からのLPG輸入には10%分の税負担がのしかかったままだ。また、米中貿易戦争がいつ再燃しないともわからない不安定な状態が続いている。 このため、中国の輸入業者は米国からのLPG輸入を避けている。2025年9月時点では、LPG輸入に占める米国品の割合が25%程度まで低下した。代わりに中国の輸入業者は中東をはじめ、カナダや豪州からの輸入を増やした。 一方、中国が米国からの輸入を減らしたことで、米国の輸出業者がアジアで新たな販路を開拓しようとしている。
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