新春特集=2026年のメチル、廃食油動向
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ブラジル産は下げ、米国産は一進一退へ ブラジル産のエタノール価格は、2026年は一転して弱含みそうだ。無水物のFOB価格は期近積みで1klあたり635~665ドル(25年11月末時点)と25年初から2割上昇している。25年は8月にブラジルでエタノール混合30%ガソリン(E30)が導入され需要が堅調だったほか、サトウキビから製造される砂糖とエタノールの配分でも砂糖向けが優先されたため、需給が引き締まり、エタノール価格は年後半以降一本調子で上昇した。ただ、高値の反動で、ブラジルの製糖メーカーの間では、需要が割安な米国やパキスタン産にシフトすることへの警戒感からエタノールを増やすムードが高まっている。サトウキビの収穫が始まる4月積みからは供給増加を背景にエタノール価格は下落する公算だ。 一方、米国産エタノールのFOB価格は11月末時点で470~500ドルで推移しているが、26年は一進一退の展開になりそうだ。25年産トウモロコシが豊作だった関係で原料は十分にあるが、輸出需要が好調で下値は限られそう。このほか、エタノールに付着して取引される環境価値のRIN(米再生可能識別番号)も26年からの義務量引き上げに伴い需要が増加する見通しで、米国産エタノールの押し上げ要因になる。
2025年の廃食油の市場では、コスモ石油堺製油所で廃食用油原料SAF(HEFA)の製造が始まり、国内では廃食油が本格的に燃料向けに利用されるようになった。これに対して2026年は、特に設備の新設などは予定されていないが、2027年に、韓国でSAFの混合比率1%の義務化が始まるほか、早ければ2028年に太陽石油が山口事業所でバイオディーゼルの製造を検討するなど、次のプロジェクトに向けた中継ぎの年になりそうだ。 また、海外から日本の廃食油の買いが増加傾向にあり、回収業者の間で今後ISCC認証の取得が広がるとの声も出ている。市場関係者によると、数年前には認証を持つ事業者は数社程度だったが、足元では2桁台に増えたという。ただ現状では、一般的な廃食油と認証済の商品との価格差が開きにくいため、取得にかかる手間やコストを考えるとメリットが見出しづらい。このため一段の広がりには10円以上の価格差が付くことが望ましいとの指摘があった。
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