どうなる今冬のエネルギー供給2026(上)-LNG、LPG
|
冬の暖房需要動向が意識され始める時期だが、2026年冬のエネルギー動向について、リム情報開発の各レポート担当記者が、8月中旬時点での見通しをまとめた。
【LNG】 今冬のLNG需給はホルムズ海峡の封鎖解除と、北半球の気温がカギを握る。イラン戦争の勃発前は、2026年末から北米のゴールデンパスやLNGカナダ第2液化系列といった新規プロジェクトからの増産で、供給過剰に向かうとの見方が多かった。しかし、ホルムズ海峡の封鎖が長引くなか、欧州のアナリストはカタールからの2026年の輸出量が「2,500万トン程度に留まる」として、北米の増産分でも中東産LNGの減少を補いきれないとの見方を示した。スーパーエルニーニョ現象で残暑が長引き、欧州向けの在庫充填意欲が薄まれば相場の上値は抑えられるが、「万が一厳冬となった場合は、北東アジアの11月~2月着相場がmmbtuあたり20ドルを下回ることはない」(ライスタッドエナジーの尾高昌典シニアアナリスト)。
【LPG】 中東情勢の混迷を受けて、中東産ガス社勢による供給体制の回復見通しには今冬時点でも不透明感が漂う。米国とイランの和平協議の行方が不鮮明となり、足元では双方から攻撃の応酬が続いている。今後、中東品供給の不安定性を回避する商流変化が生じると目される。中東品はオマーンでの瀬取り(STS)や紅海経由のヤンブー積みでも供給が試みられるが、これらにも地政学リスクが高まっており、ヤンブー積みの船はスエズ運河経由航路へと迂回し、航海日数増加に伴うさらなるフレートコスト上昇も見込まれる。中東の最大供給業者サウジアラムコは、ジュアイマの設備復旧もめどが立っていないとみられる。このような状況下、世界的なLPGの主要調達源は中東から米国へと移行した構図は変わらない公算が大きい。呼応するように、米国の供給業者はLPG基地の拡張工事を進めるが、冬場の需要集中に米国品が再度高値圏となる可能性は高い。加えて、パナマ運河では今年後半からエルニーニョ現象に起因する干ばつが予測され、通峡の停滞による船の混雑が運河通峡権コストの高騰を招くことが危惧される。米国品の争奪戦が再び過熱し、各指標価格や調達コストは最高値を更新するとの見方もある。
|



