シンガポール=7月のバンカー重油販売量、前年同月比7.2%増の415万トン
シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、7月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が415万7,700トン(速報値)だったと発表した。前年同月比で7.2%(27万9,400トン)、前月比では8.6%(32万8,600トン)それぞれ大幅に増加した。
高硫黄380cst重油は92万8,300トンと前年同月比184万9,900トン減少したものの、前月比では18万3,600トン増加した。硫黄分0.5%・180cstは1万2,500トンと前年同月比2万9,500トン、前月比3万5,600トンそれぞれ減少した。一方、硫黄分0.5%・380cstは227万6,200トンと前年同月比225万4,000トン、前月比34万5,800トンいずれも大幅に増加した。また、硫黄分0.1%のLSMGOは24万5,800トンと、前年同月比2万8,900トン増加したが、前月比では8,300トン減少した。
多くの市場関係者は、バンカー重油需要の最悪期から脱却したとの見方を示している。また、中国経済の回復を受け、海上物流が増加傾向という。さらに、7月中旬以降、船会社の燃料油の消費にめどが立ち、新規のスポット調達を手配する動きがみられた。4~6月には船会社が長期契約で多めに燃料油を調達していた。しかし、新型コロナの感染拡大後、スポット傭船の需要は大幅に減少し、長期契約で多めに引き取ったバンカー燃料油は消費されにくい状況が続いていた。
同港における7月の平均VLSFO価格は334.89ドルと、前月の310.27ドルと比べ24.62ドル上昇した(リム情報開発調べ)。原油先物の上昇に加え、欧州からのVLSFO輸出量が減少し、シンガポールでの供給が逼迫したことが要因という。