シンガポール=4月のバンカー重油販売量、前年同月比3.5%増の425万トン
シンガポール港湾庁(MPA)はこのほど、4月のシンガポール港でのバンカー重油販売量が425万6,500トン(速報値)だったと発表した。前年同月比3.5%(14万2,800トン)、前月比では1.4%(5万7,100トン)それぞれ増加した。
4月の高硫黄380cst重油販売量は105万8,000トンと前年同月比36万5,100トン、前月比では8万2,000トンそれぞれ増加した。硫黄分0.5%・180cstは17万9,600トンと前年同月比6万8,500トン増加した反面、前月比2万3,000トン減少した。硫黄分0.5%・380cstは213万9,400トンと前年同月比6,500トン減少した一方、前月比8,600トン増加した。また、硫黄分0.1%のLSMGOは29万8,000トンと、前年同月比7万4,600トン、前月比では2万900トンいずれも減少した。
スクラバー搭載船の稼働増加に伴い、高硫黄380cst重油販売数量は先月から反発したようだ。シンガポールへの寄港数は減少しているものの、長距離航路の大型船舶が大量の燃料を一度に調達しているため、販売数量は増加した。ただし、販売数量が増加したわりに、コスト増もあって利益が出にくいという。
リム情報開発の調べでは、同港での4月の平均VLSFO価格は488.55ドルと、前月の500.28ドルと比べ11.74ドル反落した。欧州からアジア向けのアービトラージが閉じているものの、製油所の稼働が進むアジア域内からVLSFOとその基材がシンガポールに大量に持ち込まれるようになった。在庫余剰感から販売価格の下げ幅は拡大した格好。