サウジアラムコ=原油急騰で株価堅調、時価総額で世界トップに
サウジアラビア国営石油会社サウジアラムコは11日の米株式市場で、約2兆4,300億ドル(315兆2000億円)の時価総額を記録し、「世界で最も価値のある企業」の座に躍り出た。11日の株価終値は45.95ドル。
サウジアラムコ株は原油価格の上昇とともに堅調な推移を見せてきた。新型コロナウイルスによるパンデミックが一服し、世界経済の回復期待による原油の需給引き締まり観測が広がるなか、2月24日にロシアがウクライナへの軍事侵攻を開始。日本や欧米諸国がロシア産エネルギーの禁輸措置を含む経済制裁を打ち出したことで、原油の需給逼迫懸念に追い打ちがかかった。
翌3月、同社はこうした状況を踏まえ、世界の全地域を対象に原油の公式販売価格(OSP)を引き上げた。アジア向け主力原油であるアラブ・ライト原油(AL)の4月積みOSPは前月から2.15ドル上昇。ブレント原油とドバイ原油のEFSが拡大でドバイ市況に連動する中東産原油が域外産原油よりも割安に映ったことも、サウジアラビア産原油の需要拡大につながった。
さらに、同社は5月積みALのOSPを前月から4.4ドル引き上げ、オマーン・ドバイ産原油の平均価格に対しバレル当たり9.35ドルのプレミアムに設定。ALのOSPとしては過去最大の上乗せ幅となった。ロシア産原油の購入を敬遠する動きが広がるなか、今後もサウジアラビアを中心とする中東産原油のロシア産の代替としての需要が一段と高まることが予想される。
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