NEDO=アンモニア混焼技術実用化に向けた2事業を発表
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は24日、アンモニアを石炭と混焼させる技術の開発と、実証研究に取り組む2件の研究開発テーマを採択し、それぞれ委託・助成予定先を発表した。
委託事業としては、電源開発(中外炉工業、電力中央研究所、産業技術総合研究所、大阪大学)が応募した「CO2フリーアンモニア燃料 火力発電所での利用拡大に向けた研究開発」。助成事業として、JERA、IHIが申請した「100万kW級石炭火力におけるアンモニア20%混焼の実証研究」。今回のテーマに最も則した内容だったことが採用の決め手になったようだ。4月に発表されたグリーンイノベーション基金とは別枠で、今回の全体予算は110億円程度、事業期間は2021~2024年度を予定している。
●CO2フリーアンモニア燃料 火力発電所での利用拡大に向けた研究開発
同研究の共同提案者は、電源開発、中外炉工業、電力中央研究所、大阪大学、産業技術総合研究所で、工業炉向けに開発されたアンモニアバーナの大容量化を図り、既存の石炭ボイラでアンモニア混焼に向けた技術開発を行う。このアンモニアバーナ開発により、様々なボイラ形式へ適用可能なアンモニア混焼率拡大を追求する。併せて、燃料アンモニアを安定的かつ安価に調達するため、燃料調達・輸送・貯蔵・利用の全体工程の調査および経済性を評価し、初期導入に向けた効率的な方策を検討していく。
●100万kW級石炭火力におけるアンモニア20%混焼の実証研究
JERAの碧南火力発電所4号機(発電出力:100万kW)で、2024年度にアンモニア20%混焼を目指す計画。JERAはアンモニア貯蔵タンクや気化器等の付帯設備の建設やアンモニアの調達を、IHIは実証用バーナの開発行う。大型の商用石炭火力発電機で大量のアンモニアを混焼する実証事業は世界初のこと。また、アンモニアの大量混焼を確実に行うため、同発電所5号機(発電出力:100万kW)で、2021年8月から12月まで、材質の異なるバーナを使ってアンモニアの小規模混焼試験を行い、実証用バーナの開発に必要な条件を確認する予定だ。