多木化学=8月から尿素水値上げ、国際市況高騰で
化学肥料の製造に強みを持つ多木化学(兵庫県加古川市)が8月1日から尿素水のローリーでの販売価格をトンあたり10,000円引き上げると、取引先各社に通知していたようだ。市場関係者が6日までに明かした。
主原料である尿素の国際市況の高騰が背景にある。環境対策で尿素工場の稼働を制限する中国からの供給が減少する一方、最大消費国インド向けの肥料用需要が高まり、需給が逼迫した。世界的なコンテナ不足で海上運賃が急騰したことも尿素価格を押し上げる要因となった。
リム情報開発が発行する週刊『クリーンエネルギー』によると、7月30日時点の尿素の日本着(CFR)価格はトンあたり約55,000円と、6月1日時点の約42,700円から30%近く上昇した。日産化学も8月1日から尿素の販売価格を30,000円引き上げている。
化学肥料に使われる尿素を一定割合で水に溶かした尿素水は、ごみ焼却施設や発電設備から発生する排気ガス中の窒素酸化物(NOx)を取り除く目的で使用される。取扱いが容易なことから、危険物に指定されるアンモニア水の代替品としての需要が高まっている。
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