日本卸電力取引所(JEPX)で27日に約定処理が行われた、2021年度第1回の非化石価値取引「非FIT再エネ指定」は、約定価格が下限値の0.60円となった。約定量は17億4,448万3,697kWhとなり、売り入札量が37億7,116万1,985kWh、買い入札量が39億3,465万5,830kWhだった。26日の非FIT再エネ指定なしは、売りに対する約定率が1割にも満たなかったが、再エネ指定では売りのおよそ半分が約定した。入札会員数は51社に対し、約定会員数は49社だった。 今回の約定結果について、一部の市場関係者は「資源エネルギー庁の2020年度の電力調査統計を参考にみると、再エネ指定(=水力+新エネ)については、発電量(21年1~3月)の15%しか今回売りに出されていない。これは再エネ由来の証書の取引が相対中心であり、市場で売りに出されるのは余剰分ということになる。したがって、売り入札価格も最低価格でもよいから、とにかく捌いてしまいたいという心理を反映しているのではないか」(再エネ系新電力の需給取引担当マネージャー)と分析。他方、再エネ指定なしについては「今回、原子力発電量の56%が売りに出された。再エネ指定なしについては、市場も重要な取引ルートであり、なるべく高く売りたいという心理を反映し、売り入札価格の目線が高めだったのではないか」(同)との見方を示し、結果として買い手との目線が合わず、約定率が低かった可能性を指摘した。
FIT発電分の約定日は、11月26日に予定されている。新たに再エネ価値取引市場として、需要家も直接取引に参加可能となる。

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