ENEOSが今週の系列向け基準価格を引き上げました。「補助金は増えたのに、なぜ?」と、疑問を持たれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。ベースとなる基準価格と補助金支給単価それぞれの「変動幅」に着目すると分かりやすくなります。
今週のENEOSのベース基準価格は前週から「1.5円」上がりました。一方、補助金支給単価は3.4円から3.7円へと「0.3円」増額されました。補助金が増額されるということは、それだけ卸価格を引き下げる財源が増えることになりますので、ベース基準価格の変動幅から差し引けば、実質的な改定幅が出てきます。
ベース基準価格の変動幅(+1.5円)-補助金の変動幅(+0.3円)=実質的な改定幅(+1.2円)
では、逆に補助金支給単価が前週から下がった場合はどうなるでしょう。例えば、ベース基準価格が「1.5円」下がり、補助金が「0.3円」減った場合を想定してみましょう。この場合、卸価格を下げる財源が減ることになるので、ベース基準価格の変動幅から足し上げれば、実質的な改定幅が出てきます。
ベース基準価格の変動幅(-1.5円)-補助金の変動幅(-0.3円)=実質的な改定幅(-1.2円)
毎週のベース基準価格に補助金単価を差し引いた固定値同士を比較しても同じ結果を導くことができます。例えば、前週のベース基準価格が「100円」で、補助金支給単価が「3.4円」だった場合、実質的な卸価格は「100円-3.4円=96.6円」となります。
翌週にベース基準価格が1.5円上がり「101.5円」、補助金支給単価が0.3円上乗せされ「3.7円」となった場合、実質的な卸価格は「101.5円-3.7円=97.8円」となります。前週の「96.6円」からは「1.2円」上がったと考えることができます。
まとめると、以下の表のとおりになります。
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前週
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当週
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変動幅
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ベース基準
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100.0
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101.5
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+1.5
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補助金単価
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3.4
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3.7
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+0.3
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実質売価
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96.6
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97.8
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+1.2
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「変動幅」なら「変動幅」、「固定値」なら「固定値」と、足し引きする対象を合わせないとこんがらがってしまいます。逆に言えば、そこさえきちんと合わせておけば、混乱を防げるでしょう。
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